グリーン住宅ポイントの条件は?新築・リフォーム・中古の条件の違い

グリーン住宅ポイントの条件は?新築・リフォーム・中古の条件の違い

お得に家電やパソコンなどに交換できるグリーン住宅ポイントは、きちんと条件を満たさないともらうことができません。しかし条件が細かくわかりにくい言葉で説明されているサイトが多いため、正直よくわからないという方もいるのではないでしょうか。そこで今回はグリーン住宅ポイントが使える条件を、住宅や工事の種類ごとにわかりやすく解説します。この記事を読んでいただければ、どんな家がグリーン住宅ポイントをもらえるか具体的に知ることができます。しっかりと条件を満たして、お得に商品交換しましょう。

【グリーン住宅ポイント】新築住宅(持ち家)の条件

新築住宅では「高い省エネ性能等を有する住宅」か「一定の省エネ性能を有する住宅」のどちらかの基準を満たす必要があります。また、いずれも住宅に使う材料などに影響しますので、できるだけ早めに住宅会社へグリーン住宅ポイントを使う希望を伝えるようにしましょう。

高い省エネ性能等を有する住宅:40万ポイント]

「高い省エネ性能」とは次の4つの基準であり、いずれかをクリアする必要があります。

1.認定長期優良住宅

長く住み続けられるように、耐久性の高い材料や作り方をした住宅です。住んだ後は定期的に点検などをします。

2.認定低炭素建築物

市街化区域内で作る、低炭素化対策が取られた住宅です。太陽光パネルを設置したり断熱性能を高めたりして省エネ化します。

3.性能向上計画認定住宅

2015年に定められた、建築物省エネ法の断熱性能を満たす住宅です。高効率のエアコンや給湯器を設置して、省エネ性能を高めます。

4.ZEH

高断熱の窓や断熱材を使って冷暖房のエネルギーを抑え、さらに太陽光パネルなどによる発電により外部からの電気を使わずに済む住宅です。

一定の省エネ性能を有する住宅:30万ポイント

「一定の省エネ性能を有する住宅」とは、日本住宅性能表示基準 による断熱等性能等級4であり、さらに一次エネルギー消費量等級4以上の住宅です。これは住宅の品質確保の促進などに関する法律(品確法)で定められ、第三者機関に評価してもらいます。

断熱等性能等級は住宅の断熱性能のことで、いわゆる高気密高断熱住宅が評価されます。また一次エネルギー消費量等級は、断熱性能の高い住宅に省エネ性能の高いエアコンや給湯器などを使って、石油や石炭などの一次エネルギー消費を少なくする住宅が適合します。

ポイント加算の条件

上記の他に以下の1〜4が該当する住宅は、次のポイントが加算されます。

  • 高い省エネ性能等を有する住宅:60万ポイントを加算
  • 一定の省エネ性能を有する住宅:30万ポイントを加算

1.東京圏の対象地域から移住するための住宅

東京圏から以下の条件で移住し、住宅を取得する方にポイントが加算されます。

  • 東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)にある対象地域から別の場所へ移住する
  • 移住先に5年以上居住する
  • 移住日から過去1年間、下のaかbいずれかに継続して該当
  • 移住日から過去10年間、下のaかbいずれかに通算5年以上該当
  • a.住民票の居住地が東京23区である
    b.東京23区に通勤しており、住民票の居住地が東京圏の対象地域内である

2.多子世帯が取得する住宅

3人以上の18歳未満の子供がいる世帯はポイントが加算されます。

3.三世代同居仕様である住宅

建築または購入する住宅が三世代同居仕様であればポイントが加算されます。三世代同居仕様とはキッチン、浴室、トイレ、玄関のどれかが複数ある住宅です。

4.災害リスクが高い区域からの移住のための住宅

2020年12月15日時点で災害リスクの高い区域に住んでいる方が、その区域外に移住するために住宅を取得するとポイントが加算されます。災害リスクの高い区域とは次の2つです。

  • 土砂災害特別警戒区域
  • 建築禁止災害危険区域

その他の条件

ポイント数に関わる条件の他にも、次のような条件があります。
新築住宅の基本項目ですので、確実に押さえるようにしましょう。

  • 新築とは契約時に建築から1年以内で第三者が未入居の住宅のこと
  • 購入者が自分で住む住宅が対象であり、申請は1人1回まで
  • 分譲住宅の売主は、宅地建物取引業免許 を持つ者に限られる

どの基準も住宅会社を通じて、所管行政庁や評価機関から認定書や証明書を発行してもらわなければなりません。
発行までに時間がかかることもありますので、早めに住宅会社に相談するようにしましょう。

【グリーン住宅ポイント】既存住宅(持ち家)の条件

既存住宅とはいわゆる中古住宅のことです。こちらは必ず満たす条件と、いずれかを満たす条件の2つに分かれています。

必ず満たす条件

ポイント対象となる既存住宅は以下の2つが必須の条件です。特に築年数の新しい既存住宅を購入するときは、建築年月日に注意しましょう。

  • 2019年12月14日以前に建築された住宅
  • 売買代金が100万円(税込)以上の住宅

いずれかを満たす条件

前述の2つの条件を満たしながら、さらに次の1〜4のどれかに該当している必要があります。

1.空き家バンク登録住宅 :30万ポイント

各自治体が行っている「空き家バンク」に登録された住宅が対象です。2020年12月15日以降に登録された住宅でも、購入時点で登録されていれば対象になります。

2.東京圏から移住するための住宅:30万ポイント

※新築住宅のポイント加算の条件1)を参照

3.災害リスクが高い区域から移住するための住宅:30万ポイント

※新築住宅のポイント加算の条件4)を参照

4.住宅の除却に伴い購入する既存住宅 :15万ポイント

古い住宅を除却(解体)して購入する既存住宅が対象になります。上記の1〜3に加算することもでき、主に以下の3つの条件があります。

  • 除却工事の発注者と既存住宅の購入者が同じである
  • ポイント発行申請までに除却すること
  • 除却の対象はあくまで住宅で、離れや納屋などは対象外

その他の条件

ポイントに直接関係する条件の他に、以下のような条件もあります。特にポイント発行申請は入居後になり、申請期限が2021年10月31日である点に注意しましょう。

  • 自分が住むための購入で、さらに不動産売買契約の購入者とも同じであること
  • ポイント発行申請は入居後になり、完了前申請はできない

【グリーン住宅ポイント】住宅(持ち家・賃貸)のリフォームの条件

住宅リフォームの対象工事は、3つのうちいずれかを行う必須工事と、実施することで加算できる工事に分かれます。それぞれの合計ポイントが発行されますが、最低でも5万ポイント以上の工事にしなければなりません。

それぞれの対象工事は使う設備や材料、工事方法などが細かく定められ、発行されるポイントも異なります。お客様自身で条件やポイントを判断するのは難しいため、依頼する工事業者に直接確認するようにしましょう。

いずれかを必ず行う工事

リフォームの発行対象になる工事は、いずれも省エネ性能や断熱性能を高める工事です。使用できる設備や材料はグリーン住宅ポイント事務局のサイトで確認 できます。

1.エコ住宅設備設置

省エネ性能の高い設備に交換する工事です。

  • 太陽熱利用システム
  • 節水型トイレ
  • 高断熱浴槽
  • 高効率給湯器
  • 節湯水栓
2.開口部の断熱改修

住宅の窓やドアを交換、増設して、断熱性能を高める工事です。

  • 太陽熱利用システム
  • ガラス交換
  • 内窓設置
  • 外窓交換
  • ドア交換
3.外壁、屋根・天井または床の断熱改修

住宅の外壁や屋根・天井に使う断熱材を増やし、断熱性能を向上させる工事です。

  • 外壁
  • 屋根・天井

必ず行う工事に加算できる工事など

必ず行う工事と合わせて行うと、ポイント加算できる工事があります。

1.バリアフリー改修

高齢者の安全性や利便性を高める工事です。

  • 手すり設置:5,000ポイント
  • 段差解消:6,000ポイント
  • 廊下幅などの拡張:2万8,000ポイント
  • ホームエレベーターの新設:15万ポイント
  • 衝撃緩和畳の設置:1万7,000ポイント
2.耐震改修 :15万ポイント/戸

旧耐震基準で建築された住宅を、今の耐震基準に合わせる改修工事です。

3.リフォーム瑕疵保険等への加入 :1契約につき7,000ポイント

リフォーム瑕疵保険とは、工事した後に欠陥などが見つかったときに、保険会社から工事業者に改修費用が支払われる保険です。

4.既存住宅購入加算

既存住宅を購入して行うリフォーム工事でも、ポイント加算できます。対象となる既存住宅の条件は以下の通りです。

  • 2019年12月14日以前に新築された住宅である
  • 売買契約金額が100万円以上(税込)である
  • 売買契約から3ヵ月以内にリフォーム工事の請負契約を結ぶこと
  • 自分で住む住宅である

その他の条件

リフォームでのポイント発行条件には以下のようなものもあります。ポイント上限内であれば複数回の申請が可能ですが、期限は変わらないため注意しましょう。

  • 賃貸住宅のリフォームも申請可
  • 1,000万円(税込)以上の工事は、工事完了前申請もできる
  • ポイント上限内であれば同一住宅で複数回の申請が可能

【グリーン住宅ポイント】新築住宅(賃貸)の条件

新築の賃貸住宅でもグリーン住宅ポイントは利用可能で、1戸あたり10万ポイントになります。ただし発行ポイントは追加工事への充当のみで、商品との交換はできません。

新築住宅(賃貸)の条件

ポイント発行の対象にするには、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

  • すべての住戸が賃貸用で、住宅や店舗の併用ではない
  • 入居できる住戸が2戸以上あり、すべての住戸が床面積40㎡以上である
  • 建築物省エネ法に基づく住宅トップランナー基準に適合すること

【グリーン住宅ポイント】スケジュールの条件

グリーン住宅ポイントでは、住宅や工事の契約からポイントの交換申込まで、手続きごとに期限が決められています。2020年12月15日から2021年10月31日の期間で、売買契約・工事請負契約していることが必要となりますのでご注意ください。

特定の期間内で売買契約・工事請負契約していることが条件に加えて、ポイント申請やポイントを商品に交換する期間、工事完了前にポイント発行申請を行った場合の工事完了報告の期間もあるので、以下のスケジュールを忘れずに押さえておいてください。

  • 2021年10月31日まで
    住宅購入や工事の契約
  • 2021年10月31日まで
    ポイント発行申請
  • 商品 2022年1月15日
    ポイントの交換申込
  • 工事 2021年10月31日
    ポイントの交換申込

より詳しいスケジュールに関しては「グリーン住宅ポイント とは」の記事をご覧ください。

グリーン住宅ポイントは条件を押さえて早めに活用しよう

グリーン住宅ポイントは、コロナウィルスの影響で落ち込んだ景気を回復させるための国の政策です。省エネ性の高い住宅を取得すると、ポイントが発行されお得に家電やパソコンへ交換できます。

条件は細かく分かれていますが、考えている住宅の種類に絞ればそれほど複雑ではありません。ただし申込者が多く、確保されている予算の上限に達すれば予定よりも早く終わってしまいます。

検討している住宅の条件を早めに確かめ、もれなく申請するようにしましょう。