現在の日本人は米を食べなくなったと言われていますが、先祖から受け継いだ習慣が簡単に抜けるものではありません。
そのため、普段は米飯を食べない人であっても、おいしいご飯がどのようなものなのか知っています。
美味しいご飯というのは昔ながらのお釜を使って薪を燃料にしたものであることは、ご飯に対する知識を持っている人の多くが答えます。
実はこの方法は米の美味しさを最も引き出すことができる方法であり、高額な炊飯器なのに人気が高くなっている商品には、この状態を再現する能力が強くなっているという特徴があります。
このような理由から炊飯器は高額であっても人気商品になる場合があり、低額で販売されている商品があるのにそれを選択しないのは、この味の良さを求めているからだと言えるでしょう。
高額商品になると一台で10万円を越えるものも少なくないのですが、そこまでの高額でありながら求めたいと考える理由を紹介しましょう。
本気でおいしいご飯が食べたい人におすすめの炊飯器
目次
東芝「真空圧力IHジャー炊飯器」
この商品は容量とグレードによって値段に差がありますが、3～5万円が主力商品になっていて、お手頃な価格と言えるでしょう。
この商品の最大の人気の秘密は米を炊き上げる時に真空状態になることです。この真空状態というのはとても大切であり、お釜の場合の蓋がとても大きくできているのは、炊きあがっている時にお釜内部の圧力を下げないことが理由になっています。
真空になると熱の伝導率が高くなり、実際の温度よりも高くなるのでお米の糖質に含まれるうま味成分を高める効果があります。
この真空技術を炊飯器で応用する場合に難しいのは、熱を加えることで発生する水蒸気を圧力を下げずに逃がす部分であり、この技術の開発でこの商品は高い評価を受けています。
タイガー魔法瓶「土鍋圧力IH炊飯ジャー＜炊きたて＞ JPH-A101」
炊飯器で重要になるのは釜の材質も大きく影響していて、米の糖分を最大限に引き出すためにはゆっくりと温度を上げるということが大切です。
ここにもお釜を使って薪を燃料にするという方法が関係しています。
薪というのはガスなどと違って、一気に温度が上昇しません。少しずつ温度が上昇することでお釜の中にある米は水の温度変化による対流が起こり、熱が偏らずに米に伝わっていきます。そして最大の温度に達しても放射熱の影響から、すぐに低下するのではなく少しずつ温度が下がります。
この徐々に温度が下がる時に炊きあがったご飯が蒸らされることになり、残った水分を飛ばしてくれるのです。この温度変化をガスで実行することは難しいのですが、土鍋を使った場合には熱の伝導率の関係で加熱を停止しても熱が下がりにくいので、ふっくらとしたご飯を作ることができます。
この商品は土鍋が持っている保温効果を利用したものであり、余分な水分を抜くことで米のうま味を最大限に高めることができます。
長谷園×siroca「かまどさん電気」
この商品は昔ながらのお釜の構造をそのまま炊飯器に転用したものであり、その外見は他の炊飯器とは一線を画しています。
その特徴は製造会社が元々は伊賀焼という窯業の会社であり、土鍋を使うとお釜に匹敵する味覚を出せることに着目したところでしょう。
陶器というのは密閉しているように見えますが、実は細かな気泡があって蒸気を逃がすことができます。そして蓋部分も完全に密着させるのではなく、重さによって乗っているだけというのも、お釜と全く同じ構造です。
水が沸騰すると水蒸気になって蓋を持ち上げようとしますが、そこで完全に密着してしまうと水分が飛ばずに残ってしまう場合があり、ご飯に余分な水分が残った状態になってしまうでしょう。
この商品は最適な状態で水蒸気を飛ばすことを重点にしているため、ふっくらとした炊きあがりを提供できるようになっています。
三菱電機「本炭釜」
この商品もお釜部分の材質に拘ったものであり、燃料で使用されている炭を使っているところが特徴になっています。
炭というのは古来より使用されていたものですが、離れていても温かさが伝わることができます。その理由は炭が着火すると生じる遠赤外線であり、これは電気こたつなどの暖房器具で利用されている効果です。
この遠赤外線効果によって米には内部まで熱が伝わることになり、米の糖分濃度を高くすることに寄与してくれます。
また炭にはマイナスイオン効果や殺菌作用があり、水道水などに含まれる殺菌のための成分を取り除いたり、水をまろやかにしてくれる効果が期待できます。
お米をミネラルウォーターで炊くと美味しいというのは、水に不純な成分が少なくなっているからです。
しかし一般家庭では全てのご飯でミネラルウォーターを使用して炊くというのは難しいため、炊飯器によって水の不純物を取り除くという方法は理にかなっています。
ご飯を美味しくする方法は一つではなく、多くの方法を組み合わせることで本人にとって最高のご飯になるでしょう。
時代が変わってもご飯は日本人の主食であり、食べるのであれば美味しいものも食べたいというのは、味覚を持っている人間の興味を持つ対象であるのは間違いありません。
