居住空間を一気におしゃれに充実させる、小型のホームプロジェクターの選び方
目次
映画好き、音楽好きならせっかくの映像やライブパフォーマンスを大画面で楽しみたい、と思ったことが一度はあると思います。
クラシック映画が常に映し出されているおしゃれなバーとかに行くと、やっぱりいいな~欲しいな~と思いつつ、一応テレビがあるし贅沢品だな・・と諦めているのがプロジェクター。
映画などを見るのはもちろん、普段は時計画面を映しておいたり、大画面でゲームをしてみたり、天井に映し出せるなら寝る前にプラネタリウムみたいにしてみたりしたい・・
プロジェクターのある豊かな生活への夢は膨らむばかりです。
この欲求を抑えきれなくなった時の為に、今からプロジェクターを選ぶ時のポイント、買うならこれ!なおススメの優秀かつコスパ良好な機種を徹底的に調べておこうと思います。
今回は初めてプロジェクターを買う初心者の方にもおススメな、日常的な使用を前提とした家庭用の小型で価格もお手頃なプロジェクターにフォーカスをあてていきます。
選び方:家庭用 or ビジネス用?
プロジェクターは家庭用とビジネス用で見た目にあまり違いはないものの、画質などの仕様が大きく異なるので、ケチって兼用にせず用途に合わせて購入したほうが賢明です。
【家庭用】
・暗い部屋での視聴が前提なので輝度が低い
・コントラスト比が高い
・画質にこだわっている
【ビジネス用】
・明るいオフィスなどでの視聴が前提なので輝度が高い
・画質はあまり重視していない
持ち運んでプレゼンで使ったりパソコンの画面を映し出したりできる、1kg以下の手のひらサイズのモバイルプロジェクタもビジネスシーンで人気が高いようです。
今回は家庭用の小型プロジェクターについてご紹介していきます。
選び方:パネルタイプは?
液晶パネル
コスパが良く扱いやすいので、売れ筋の上位を占める最もポピュラーなパネルタイプです。
3つの液晶パネルにランプから出た赤・緑・青の3原色を当て、透過した映像を投影する方式で、色の再現度が高くホームシアターに適しています。
安いモデルからスタンダードなモデルまで広く使われており選択肢も多いです。
デメリットは、液晶の反応速度が遅くて動きの速い映像だと残像が出やすいのと、画質・解像度をあまり高くできないことです。
DLPパネル
マイクロミラー反射型パネル(DMD)に光を当て、ミラーの方向を変えて光をコントロールし、反射した映像を投写する方式です。
動きの速い映像にも強く、残像が少ないです。
液晶パネルと同じ価格帯でありながら、高コントラスト・高画質化が可能、さらに小型化も可能なので、安くて高画質な家庭用小型プロジェクターには一番おススメと言えます。
デメリットは、DMD(デジタルミラーデバイス)素子で反射させた光を回転するカラーホイールを通して映写するので、「レインボーノイズ」という色のにじみが出る場合があることです。
LCOSパネル
キャノン独自の光学テクノロジーで、DLPパネルと同じ反射型ですがミラーではなく液晶を使うパネルタイプです。
輝度が高く高画質で、家庭用の中でも高画質を追求するハイエンドモデルのプロジェクターに多く搭載されています。
表や図、細かい文字などもくっきりと投影できて、なめらかな映像を再生できます。
デメリットは、価格が高価で小型化も難しい点です。
現在主流なのは液晶パネルとDLPパネルで、どちらかを選んでおくのが無難です。
選び方:解像度と画面比率(アスペクト比)
解像度は光の点の多さのことで縦と横のドットの数で表され、映像のきめ細やかさを左右します。
この数字が大きいほど高精細な映像を映し出すことができ、ビジネス用だとあまり重視されませんが、家庭用の据え置きタイプで映画などを見るとなると、フルハイビジョンくらいの解像度(下記で言うところのWUXGA(1920×1200)以上)は欲しいなあといった感じです。
モバイルプロジェクターだとSXGA(1280×1024)でもかなり高画質と言えます。
画面比率は映像の縦横比のことで、ワイド(16:9)とスタンダード(4:3)が基本ですが、映像の製作者がこの比率を自由に決められるので、いろいろな比率が存在するようです。
最近はパソコンの画面もワイドになってきているので、16:9のワイドを選択するのが無難です。
解像度
解像度 | 総画素数 | アスペクト比 | |
---|---|---|---|
VGA | 640×480 | 4:3 | |
– | 720×480 | 6:4 | 一般的なDVDの解像度 |
SVGA | 800×600 | 4:3 | |
XGA | 1024×768 | 4:3 | 一般的なプロジェクターのパネル解像度 学校や会社で主流 |
WXGA | 1280×800 | 16:10 | |
SXGA | 1280×1024 | 4:3 | |
WXGA+ | 1440×900 | ||
SXGA+ | 1400×1050 | 一般的なプロジェクターの入力対応解像度 細かいデータや画面を映すならこれくらい |
|
UXGA | 1600×1200 | EPSONの多くのプロジェクターの入力対応解像度 | |
– | 1920×1080 | 16:9 | 一般的なBlu-rayの解像度 |
WUXGA | 1920×1200 | 16:10 | フルハイビジョンのハイエンド解像度 |
QXGA | 2048×1536 | ||
4K | 3840×2160 | 16:9 |
この手の買い物は上を見るとキリがないのですが、4K対応の最上級ホームシアター用プロジェクターは50~150万円ほどします。
フルハイビジョンでも上位モデルだと20~30万円ほど。
フルハイビジョンのカジュアルモデルだど10~20万円程度で、一番ニーズのある層なので、投影距離が短くても大画面が楽しめる短焦点モデルなど選択肢も豊富です。
そうはいっても高価な買い物には変わり有りませんが・・。
画面比率(アスペクト比)
16:9(ワイド) | ホームシアター、映像視聴向け テレビ、ユーチューブ、DVD、ブルーレイなど |
---|---|
2.35:1(シネスコ) | 映画 |
4:3(スタンダード) | アナログテレビの画面比率 アナログテレビ、VHSなど パソコンモニタもこの比率であったが最近は少なくなっている |
16:10(WXGA) | 会議、プレゼン用途向け 最近のパソコンモニタなど |
選び方:明るさ(ルーメン)とコントラスト比
プロジェクター選びにおいて明るさはとても重要で、カーテンで室外光を遮断したり部屋の照明を落とせない場合、プロジェクター本体の明るさを発揮できません。
使う場所の明るさとプロジェクター本体の最大輝度が重要ですが、最大輝度が明るいほど価格もあがります。
例えば室内で少し照明をつけて映像を流すなら、2000ルーメンは必要になってきます。
コントラスト比は、画面のもっとも暗い場所と明るい場所の比率で、この数字が高いほど黒がくっきりとした映像に見えます。
家庭用においては、1000~2000ルーメン程度で高コントラスト比の機種がおススメです。
家庭用 | 1000~2000ルーメン |
---|---|
ビジネス用 | 2500ルーメン以上 |
モバイルプロジェクターの場合、100~500ルーメンが主流ですが、暗めの場所なら問題なく使用できます。
選び方:投影距離は?
狭い部屋だとこの「投影距離」が気になりますよね。
投影距離が近いと投影できる画面の大きさが小さくなってしまいますが、短焦点レンズを搭載したプロジェクターなら1~2メートルほどの短い投影距離でも、100インチほどの大画面で楽しめます。
「超短焦点」と呼ばれるレンズが採用されているプロジェクターだと、壁際においても30センチほどの投射距離があれば100インチの大画面で映し出してくれます。
しかし通常のプロジェクターよりも高性能なレンズを使用しているので、価格も高くなりがちなのがネックです。
加えて、画質面で言うと「プロジェクターを投射したい面から遠ざけて狭角で投影」の方が、映像にゆがみなどが出にくく、均一に投影できるので、設置場所に制約がなければ投影距離は長くとった方が良いでしょう。
映像入力端子:HDMI端子があれば十分
プロジェクターの入力端子は、多く備わっているほど対応できる機器の範囲が広がり便利ですが、最低限HDMI端子があれば十分です。
HDMI | DisplayPort | RGB | S端子 | コンポジット | USB |
---|---|---|---|---|---|
映像データと音声データをデジタル信号で送れるインタフェース規格 多くのデジタル家電で採用、最もポピュラー DVD、BDプレーヤー、ゲーム機器等と液晶テレビ等の接続向け |
映像データと音声データをデジタル信号で送れるインタフェース規格 対応解像度はHDMIより高い パソコン等と液晶モニター等の接続向け |
映像の信号を赤(R)・緑(G)・青(B)のアナログ信号に分解して送る端子 パソコンとの接続によく使用される |
テレビのアナログ映像の入出力で使う端子の1つ 映像劣化が激しい |
アナログ映像の最もポピュラーな端子 音声用の赤・白と映像用の黄の3本のケーブルで構成される |
– |
疑問:スピーカーとスクリーンは必要?
家庭で手軽に楽しむ分には、壁や天井でサクッと楽しむのも十分アリだと思います。
モバイルプロジェクターなどは出先で使うことを想定していますし、白い壁さえあれば絶対にスクリーンを用意しなくてはいけないわけではありません。
スピーカーは内蔵のタイプもありますが、オマケ程度の機能なのでAVアンプを別で用意することを推奨する人が多いようです。
【参考にどうぞ】
→ホームシアターを用意する前の予備知識 | 2.1CHと5.1CHサラウンドとは
→ホームシアターを用意するならAVアンプは欠かせない
【おススメ5選】コスパ重視!低価格のおススメ家庭用小型プロジェクター
お試しにぴったり!RAMASU RA-P1200 ¥9,384
試しに買う、が可能なこの良心的な価格。
最低限の装備ですがフルハイビジョンの解像度にも対応しており、ポータブルなので手軽に使いたい方にはぴったり。
プロジェクターを買うふんぎりがつかない方は、これでトライアル的に試してみるのもアリです。
入門機に最適!Crenova 2016 モデルXPE650 HDプロジェクター ¥18,980
お手頃価格でありながらハイビジョン画質対応、VGAケーブルやHDMIケーブル付属ですぐ使えるという、プロジェクター初心者におススメなクレノヴァのプロジェクター。
モノラルではありますがスピーカー内蔵で、台形補正機能もついており、投射画面が斜めでも調整が可能です。
ファンの音が少し大きい、本体が少し大きい、少し暗いなどのデメリットはありますが、音は鑑賞中は気にならない程度ですし、リモコンやケーブル付属で接続端子も豊富なので、値段以上の価値があるコスパ最強なプロジェクターです。
手軽でスマート、持ち運べる!SONY LSPX-P1 ¥78,200
発売時にもこちらでご紹介した、ソニーの超短焦点ポータブルプロジェクター、「LSPX-P1」。
このコンパクトさ、ワイヤレスのスタイリッシュさ、スピーカー内蔵、LCOSパネル採用の高画質、そして10万円を余裕で切る価格の手ごろさ。
まさに家庭や一人暮らしのおうちで手軽かつおしゃれに楽しむのにもってこいの小型プロジェクターです。
明るさ100ルーメン、パネル画素数 1366×768、駆動時間約2時間(4時間充電)とちょっと心細い気もしますが、それでも総合して考えれば必要十分な機能を兼ね備えた、コスパにも優れたプロジェクターだと言えます。
プロジェクターで場所をとりたくない、違う部屋でも持ち運んで使いたい、と言ったかたにおススメです。
安心と価格のベストバランス!BenQ HT2050 ¥71,710
動きのある映像にも強いDLPパネル採用の2200ルーメンホームプロジェクターです。
10Wx1の高音質チャンバー型スピーカー搭載、画素数も1920×1080と申し分なく、コムでの満足度も高い安心感のある商品。
フルHDで2200ルーメン!EPSON EH-TW5350 ¥82,345
パネル画素数1920×1080、フルハイビジョン、最大輝度2200ルーメン、Wi-Fi対応、スピーカー内蔵という家庭用なら申し分ないスペックのホーム用据え置き型プロジェクターです。
映像入力端子もHDMI端子のほか、RGB、コンポジット、USBに対応しています。
気になる大きさは、幅x高さx奥行 297x114x245 mm、重量 3.1 kgと、そこまで邪魔にならない大きさ。
10万円以下のプロジェクターではナンバーワンとのレビューもありますが、一方で液晶パネルならではの残像感が気になるとの声もあります。
家庭用でそこまで高画質を追い求めないなら、このくらいのスペックで十分楽しめると思います。